Nouns DAO

【随時更新】Nouns DAOのフォーク機能の実装を含むバージョンアップV3の情報まとめ

はじめに

この記事では、Nouns DAOのバージョンアップV3に関する情報を時系列で紹介し、今後の動きも随時更新していきたいと思います。

 

Nouns DAOは、Prop356の可決でコントラクトの更新を行いました。

そのV3の提案可決に至る経緯と、その後の情報を時系列で記録することで、どのようにNouns DAOがフォークを含むバージョンアップに至ったのか、またその結果、どのように変化していくのか見ていきたいと思います。

 

ただ、正直なところ、V3やフォークに関する議論は難しく、内容を把握するだけでも大変です。

Nounsのキーパーソンとなる方々の発言をできるだけ追うことで、その全容が見えてくるという思いでこの記事を書き始める次第です。

今、Nouns DAOが直面している課題を理解する参考になれば幸いです。

Nouns DAOのV3の概要

まず、V3で追加や変更された機能はこちらになります。

  • 提案の編集: 提案者が提案の更新できるようにする。
  • 署名による提案: Nounersではなくても提案を提出できる機能を追加し、Nounersによる署名で本提案に上げらるようにする。
  • 反対のみの期間: 投票の最後の瞬間に提案が敗北から成功に変わる際に有効になる条件付きの投票期間を導入する。
  • 投票遅延後の投票スナップショット: 投票スナップショットのタイミングをずらして、Nounersが提案ごとに反応する時間を提供する。
  • Nouns Fork: Nounersが新しいDAOにフォークしてDAOを出ることを可能する。

V3で注目されているのは、Nouns DAOをトレジャリーごとフォーク(分割)する機能の追加ですが、提案や投票の設定についても変更が加えられています。

また、V3に関連するNouns DAOの提案は以下となっています(2023年8月29日現在)

  • Prop 302:Fund a code4rena audit for DAO V3(コントラクトのAuditが可決)
  • Prop 353:Nouns DAO V3 upgrade, including Nouns Fork(キャンセル)
  • Prop 354:Nouns DAO V3 upgrade, including Nouns Fork (edit)(Noundersがキャンセル)
  • Prop 356:Nouns DAO V3 upgrade, including Nouns Fork (Will Not Cancel)(V3の実装が可決)
  • Prop 357:Nouns DAO V3 migration cleanup(キャンセル)
  • Prop 359:Nouns DAO V3 Upgrade follow up proposal(保留中)

ここでは、主にフォークについての情報をまとめていき、提案や投票の設定は、別の記事で紹介しますね。

Nouns DAOのフォーク機能の実装を含むバージョンアップV3に向けた軌跡

 

V3の実装に向けた提案の中でフォークの内容を詳しく解説されている記事です。

 

Nouns DAOのフォークがこの動画によって一気に知られるようになった印象です。

 

V3バージョンアップに貢献したElad ⌐◨-◨(@eladmallel)さんがフォークに関して説明しているツイートです。

動画の音声をAIで文字起こしした内容がこちら。

AIで日本語に訳してみました。

こんにちは、私はVerbsチームのEladで、新たなNouns DAOのフォークメカニズムに取り組んでいる開発者の一人です。Nounsは、毎日永遠に新しいNFTをオークションにかけるNFT DAOです。
全てのDAOは少数派保護メカニズムが必要です。我々は既存のものを調査し、Moloch DAOからのRage Quitなどを含め、Nounsにより適合し、長期的なプラスサムの価値をより良く奨励するデザインに落ち着きました。
Nounsフォークは、トークン所有者のグループが新しいNouns DAOのインスタンスを作成し、元のDAOから新しいものに移行することを可能にします。新しいインスタンスを作成するためには、トータルトークン供給量の少なくとも20%がフォークに対してエスクローされる必要があります。その20%の閾値が達成されたら、誰でもフォークの実行機能を呼び出して新しいDAOを作成できます。
したがって、フォークDAOが作成され、例えばトータルトークン供給量の20%がエスクローと退去を選択したとしましょう。その場合、Nouns DAOのトレジャリーから新しいDAOの財務省へと20%が送られます。そして、7日間のフォーキング期間が始まります。この期間中、どのトークンホルダーもフォークに参加することを選択できます。これらのトークンは再びNouns DAOに送られ、新しいDAOで同じID、同じ画像を持つ新たなトークンが彼らのために鋳造され、そして我々はNouns DAOのトレジャリーから新しいDAOのトレジャリーへと彼らのプロラタの資金を送ります。
フォークDAOは実際にはバニラRage Quitで立ち上げられます。その主な理由は、フォークメカニズムが依然として弾圧的な多数派に新しいDAOへの少数派追跡を許しているからです。そして、それを行うと、基本的にはフォークが次々と生じる消耗戦になります。Vanilla Rage QuitでフォークDAOを展開することで、私たちは少数派に最後の出口を提供し、弾圧的な多数派による虐待から彼らを解放します。
フォーキングは実際には暗号コミュニティによる素晴らしい発明ですよね?ビットコインコミュニティやイーサリアムで見られるような大きな紛争を取り上げ、それを互いに繁栄するウィンウィンな結果に変えることを可能にしてくれました。
しかし、DAOにおいては、まだそこまで達していません。だからこそ、我々はこれを試すことに興奮しています。一度このフォークメカニズムが利用されると、それがDAOが初めてフォークする瞬間となると思います。そして、それがまた一つのウィンウィンな結果となるだろうと予想しています。
もしもっと詳しく知りたい、コードを読みたい、コードを使いたいと思うのであれば、すべてがGitHub上のnounsDAOアカウントの下でオープンソースとして利用可能です。

実際にV3が実装された時のフォーク機能の使い方を示した動画(デモ動画)もアップされていました。

Elad ⌐◨-◨は、後にNoundersの一人、seneca(@cryptoseneca)さんがV3アップグレードの推進者に感謝したツイートにの中にもその名前が登場しています。

 

Nounsホルダーが投稿できる「Nouns Nymz」でもフォークに関するコメントが寄せられています。
このツイートでは、Nounホルダーとして、Noundersに次ぐ数を保有しているpoap.ethさんの投稿の翻訳です。

 

パジさんのVoicyでもたびたびフォークについて触れておられます。

 

V3の実装に向けた提案は、Prop353が最初でしたが、後にキャンセルされています。

 

続いて、Prop353の編集版としてProp354の投票が始まりました。

 

この頃から、いろんなNouns DAOのキーパーソンの方々がツイートでフォークに関する内容を発信されていました。

 

で、Prop354は一旦可決されましたが、後にNoundersの権限でキャンセルされています。

 

eguegu(@____easy)さんがフォーク機能の実装に至る経緯と、Nounderがキャンセルした理由を日本語でわかりやすく解説されています。

そして、Noundersによってキャンセルされた内容を再提出したのがProp356。

提案は可決され、この時はNoundersのキャンセルはなく、実行されてV3が実装されました。

 

Nouns DAOのサイトがV3実行に伴っていくつか変更になっていました。

はじめに目についたのがフォークを実行するためのメニュー。

ここからフォークの手続きができるようですね。

 

また、Nouns DAOに提案を上げる際、提案候補は誰でもできるようになり、Nounホルダーの署名でも提案が行えるようになりました。

その後、フォークに関する関連提案が提出されています。


2023年8月30日現在

 

【トピック】Nouns DAOでホルダー署名だけで提案できる仕組みが発動!(V3)Nouns DAOがV3にバージョンアップし、新しいガバナンスサイトでの仕組みがスタートしました。V3では、Nounsを持たないユーザーも提案候補を提出可能となり、3票の署名が集まれば正式な提案として進行します。V3の導入により、提案を行うための事前の委任が不要となり、Nounホルダーは署名のみで提案が可能となりました。...