はじめに
この記事ではNouns DAOに新しく実装された提案の仕組み「Candidates」を紹介します。
Nouns DAOに資金調達のための提案を出すのって、高額なNFT(Noun)を持っていないとできないし、ハードルが高いんじゃないの?って思っていませんか?
確かに、V3にバージョンアップするまでは、Nouns DAOに提案を提出する条件として、Noun(=NFT)を3体を保有するか、Nounホルダーから投票権(提案権)をあらかじめ委任(delegate)してもらう必要がありました。
Nounは1体が約30ETHもするので、確かに提案するハードルは高かいです。
一方、V3で実装された「Candidates」からだと、Nouns DAOの本提案となる提案候補を誰でも提出できるようになりました。
そして、提案した企画にNounsホルダーさんの3人の賛同=署名が得られれば、その提案はNouns DAOに本提案されます。
そう、誰でもNouns DAOの提案者になれる画期的な仕組みなんです!
これまで、Nouns DAOに距離を感じていた人も、この記事を読んで少しでもNouns DAOとの距離が近くなれば嬉しいです。
「Candidates」で企画を提案する流れ
まずはじめに「Candidates」にアクセスするには、Nouns DAOの上部メニューから
「DAO」→「Candidates」になります。
次にこの「Candidates」が実装されて、初めて投稿された提案候補の画面を例にとって、簡単にサイトの説明をしますね。
まず、提案者はNoun547から投票権を委任されており、提案に必要な1票を自ら持っていることがわかります。
そして、残りの2票の署名を待っている状況です。
Nounsホルダーは提案候補の内容に投票ができる機能も備わっています。
上記のような提案を「Candidates」で実際に提出する際は、まずサイトにウォレットを接続してから、右にある「Create a candidate」から行います。
次に表されれる画面がこちら。
「Add Action」をクリックすると提案の設定に進みます。
次の画面では、ガイドラインが書かれており、アクションタイプを3つの中から選び、「Add Action Details」を押して次の画面に進みます。
企画のために資金提供を提案する場合は「Transfer Founds」を選択します。
続いて、資金提供の条件を入力します。
Currencyは、ETH、USDC、stETHから選択できます。
Amountに数量を入れて、Recipientに資金の受け取りアドレスを入力したら、「Review and Add」をクリック。
確認画面が出てくるので、「Add Transfer Founds Action」をクリック。
上記は、Nouns DAO本家で企画が可決されたら、10ETHの資金をearlgrey.⌐◨-◨に送金するという内容です。
ちなみに、「名前.⌐◨-◨」はNNS(Nouns Name Service)で取得できるウォレットの名前です。
Nouns好きの人はウォレットに設定していますよ。
気になる場合はこちらの記事を参照してくださいね。
続いて、初期画面に戻るので、提案のタイトルと企画内容を入力します。
形式はマークダウン方式で入力することができます。
すぐ下にプレビュー画面が表示されるので、イメージ通りに表示されているか確認ができますよ。
最後に、「Create proposal candidate」をクリックすると、メタマスクが立ち上がるので承認を行います。
なお、0.01ETH+ガス代がかかります。
提案候補もオンチェーンに保存されるので、イーサリアムチェーンが壊れない限り未来永劫に残る形ですね。
誰でも提案できるけど、その提案は世界のみんなが見ることができる場所にずっと残り続ける。
なので本気の提案候補を出さないと!ってことですね。
なお、pNouns DAOでも先日、提案を「Candidates」に提出しました。
実際に提案してみることでわかることがあったので、実際の流れを次の項目で共有しますね。
pNouns DAOが「Candidates」で提案候補を提出した流れ
まず、pNouns DAOの状況のおさらいです。
pNouns DAOは2体のNounを保有するNouns DAOのサブDAOとして活動しています。
本提案に必要なNounの数は3体なので、pNouns DAO単独でNouns DAOに提案を出すには1体足りない状況です。
で、残りの1体は、日本のNounsホルダーであるegueguさんのご協力で署名をいただけることになっています。
今回、「Candidates」に提案した企画内容は、pNouns DAOのsnapshot投票によって可決された内容です。
その内容をpNouns DAOの提案兼投票ウォレット(delegate.pnouns.⌐◨-◨)で「Candidates」に提出しました。
提出した後の画面はこちら。
pNouns DAOは提案に必要な3票のうち2票を持っていて、残り1票が足りないことがわかります。
この時点では提案者であるpNouns DAO以外の賛同者がいないので、「No sponsored vetes needed」と表示されていました。
提案当初は提案者であるpNouns DAOの2票の署名はなされておらず、別のNounsホルダーの方が署名してくれることで初めてpNouns DAO(提案者)の署名が可能となります。
そして、Nounsホルダーであるegueguさんの署名が完了すると、「1 of 1 sponsored votes」と表示され、署名者にegueguさんのアドレスが表示されました。
そしてpNouns DAOのウォレットでも署名が可能となり、手続きすることで本提案に上げることになります。
この記事を書いている時点は、pNouns DAOの署名はまだ行なっていない状況です。
というのも、提案候補のサイトでは、署名とは別に、Nounsホルダーが提案候補に対して投票を行う機能があります。
その投票は、本家の投票と同じようにコメントを残すことができ、コメントは以下のようにサイトで確認ができます。
今は、提案候補へのコメントを受け止め、内容を練り直しているところです。
進捗があれば、この記事を更新したいと思います(2023年9月2日現在)。
最後に
この記事では、Nounホsルダー以外でも、提案候補としてNounsに企画を提出できる仕組み「Candidates」を紹介しました。
提案者としては、企画をNounsへ提出するためにNounsホルダーの賛同を得るハードルが下がったことになりますね。
一方、Nounsホルダーとしては、提案提出に署名だけで済むことで、投票権の委任とその解除の手続きが不要となるメリットがあります。
そう、「Candidates」はみんながNouns DAOの提案者になれる画期的な仕組みなんです!
これまで、Nouns DAOに距離を感じていた人も、この記事を読んで少しでもNouns DAOとの距離が短くなれば嬉しいです。