こんにちは。アールグレイです。
今日は、Nounsの新しい法的な形として注目されている「DUNA」について解説していきます。この言葉、初耳の方も多いと思いますが、これは「Decentralized Unincorporated Non-Profit Association」の略称です。日本語にすると「分散型非法人非営利団体」という意味になります。この仕組みは2024年7月にアメリカのワイオミング州で施行され、特にDAOのために設計された全く新しい法的な枠組みです。
これまでNounsはケイマン諸島で財団として活動していましたが、この新しい形「留名」に移行することになりました。では、なぜこの移行が決定されたのでしょうか?その理由を3点に絞ってお伝えします。
DUNAへの移行理由
1. メンバーの法的な保護
現在の体制では、もし何か問題が起きた場合、個々のメンバーが責任を負うリスクがありました。しかし、留名に移行することで、メンバー個人は法的責任から保護されるようになります。
2. 税金の処理を明確化
世界中の人が参加するNounsは、税金の処理が非常に複雑でした。留名の形態では、アメリカの法律に基づいて税務が処理できるようになり、各種手続きがスムーズになるだけでなく透明性も向上します。
3. 協業のしやすさ
法的にしっかりと認められた組織になることで、大手企業やパートナーとの協業がより簡単に行えるようになります。
DUNAを支える3つの役職
留名の運営を支える重要な役職についても確認しておきましょう。
1. コンプライアンス管理者
この役職は、法律や規則が守られているかをチェックする大きな責任を持っています。提案の精査や税務処理、助成金受領者の本人確認などを担当します。
2. 予備管理者
コンプライアンス管理者の代理として必要な時にサポートを行います。
3. 拒否権管理者
危険と思われる提案を止めることができる権限を持つ役職です。
特に面白いのは、これらの管理者にはいくつかの制約が課されている点です。
例えば、任期中は自分のNounsで投票しないことが求められます。ただし、その投票権を第三者に委任することは可能です。
また、管理者専用のウォレットを用いてコンプライアンスの問題を示すなど、一定の裁量が認められています。
最近の提案について
留名の設立に向けた具体的な提案の内容についても見ていきましょう。
1. 提案727
ここでは留名の基本的なルールが提案されました。興味深いのは、州の法律、スマートコントラクトコード、定款がこの順序でルールの重要性を持つように定められている点です。
2. 提案728
Inddex Card氏がコンプライアンス管理者の候補として立候補しました。年間報酬は103,200USDC(約1500万円)で、1年間の任期です。
3. 提案729
Satori氏が予備管理者としての提案を提出しました。年間報酬は96,800USDC(約1400万円)で、コンプライアンス管理者を補佐する役割です。
他にも、提案731と732ではbixbite氏とwylin氏が新たな予備管理者として立候補しています。
DUNAの予算と期待される未来
DUNAの設立および運営には、提案662で承認された約87.5万USDC(約1.3億円)の予算が割り当てられています。用途としては、以下の4点が挙げられています。
1. 財団関連の費用(会計、税務、移行に必要なコスト)
2. 初年度の運営費用(管理者報酬や保険料など)
3. 財団の不足分補填
4. 監査資金
これらの予算を活用しつつ、DUNAはWeb3の特徴を活かしながら、従来の法制度とも調和した形で安定した運営を目指していきます。この移行は、Nounsがさらなる成長を遂げるための重要な一歩になるでしょう。
以上で今回の解説を終わります。最後までお読みいただきありがとうございました。
では、また。次の提案でお会いしましょう。